備前焼とは土を焼いて造形した陶器。釉薬(ゆうやく・うわぐすり)を一切使わないので光沢はなくザラザラした仕上がりとなる。
 酸化焔焼成によって堅く締められた赤みの強い味わいや窯変によって生み出される模様は周囲360度どこから見ても同じ模様はなく 作品一つ一つ違う。このような模様のことを「備前焼の景色」といい胡麻(ごま)や桟切(さんぎり)など、9〜16種類の景色がある。
 あながまの備前焼 山二屋    備前焼ナビ
 絵柄を描かないので見た目の派手さはないが、土と炎から生まれる色と模様は自然の芸術といえる。
 備前焼の魅力である茶褐色の地肌は、田土(ひよせ)と呼ばれるたんぼの底(5m以上掘る場合もある)から掘り起こした土と、山土・黒土を混ぜ合わせた鉄分を多く含む土とを焼くことによって現れる。
 土の配合にもある程度比率が存在するが、各々の土を寝かす期間も存在し、出土する場所によっても成分が違ってくる。作るには熟練の技が問われる。
 使い込むほどに味が出ると言われて、派手さはないが飽きがこないのが特色である。
 釉薬を使わないので通気性があり土の成分と相まって切り花は長持ちをし、水は丸みが出来てお酒などは美味しくなるといわれている。